すだれの歴史
重要文化財 駒競行幸絵巻 / 和泉市久保惣記念美術館 所蔵
当社所蔵 模造複製品より転載
すだれの起源
Sudare of origin
簾(すだれ)は、いつどのようにして世の中に誕生し、現在までどのような歴史を辿ってきたのでしょうか?
中国と韓国の文献の記録から、簾は中国を発端として日本へ伝来した可能性が高いと推測されています。
ただし不明な点が多く、今後の研究、調査が待たれるところです。
中国
『漢書』の文帝(在位 紀元前180〜157年頃)に簾の記述があり、前漢時代に存在したと考えられています。
盗人は廟の寝殿入口の簾(帘)を割り取り、高祖(劉邦)・恵帝(劉盈)両廟の祭器を盗み取り、
韓国
『三国遣事』「巻一紀異編」に簾の記述があり、三国時代に存在した可能性が考えられます。
捕えられた奈勿王(356〜402年頃)の兄弟を助けるため高句麗に入る前に、国王より簾の前にて
日本
「簾」という言葉が最初に登場するのは、日本に現存する最古の和歌集である『万葉集』です。
※額田王が、天智天皇(在位669〜671年)を想って作った歌
君待つと わが恋ひをれば わが屋戸の
簾動かし 秋の風吹く
簾の製法は、『菰桁(こもげた)』という道具を使っていたと考えられています。『菰桁』は、筵(むしろ)や俵(たわら)、蓑(みの)などにも使用されてきました。弥生・古墳時代から、『菰桁』は使用されていたと考えられています。ただし、簾を織り上げていたかについては残念ながら定かではありません。