すだれの歴史
重要文化財 駒競行幸絵巻 / 和泉市久保惣記念美術館 所蔵
当社所蔵 模造複製品より転載
古代のすだれ
Ancient Sudare
簾の名の由来は、「簀垂れ ( すだれ)」からおこった説と、住む所の「巣」の出入口に垂れ下げて、
雨風邪気を避けたことからおこった説があります。
※巣を垂れる・・・すだれ?
神聖なる植物・・・竹
簾に使用される竹は、日本列島に住む私達の祖先にとって神聖な植物でした。
『古事記』には、イザナギが黄泉の国で、イザナミの遣わした邪鬼に追われたときに、髪にさした<湯津々間櫛 ( ゆつつまぐし )>を地面に投げると、たちまち筍が生えました。邪鬼が筍を食べている間に、イザナギは葦原中国 ( あしはらのなかつくに ) へと逃げ帰ることができたとの記述があります。竹の呪力によって救われたのです。
・ 真っすぐに伸びる成長力。
・ 常に青々した生命力。
・ かぐや姫伝説にみられる母体イメージ。
竹は、古代より神聖な植物の象徴として、考えられてきたと思われます。
隼人、竹細工・・・簾
古くより、南九州から畿内に移住してきた<隼人 ( はやと )>と呼ばれる人々がいました。
<隼人>は、宮中で守護にあたるほかに、朝廷で用いる竹細工の役務がありました。
竹細工の中には、簾も存在したと思われます。
こうして宮中などで使用される簾は、神聖な室内装飾として登場したと推測されます。